『住職の一言』

先日、東京から国府津で魚を食した後に諸仏をお参りしたいというご連絡を頂き、お越しいただきました。このようなお参りは、珍しい事ではありませんが今回はサプライズ、邂逅、殆ど有り得ないことでありました。

ご夫人ばかりの5人のグループでしたが、その内のお一方が私のサラリーマン時代に同じ会社に勤務しておられ、職場は違いましたが、顔見知りで食事をさせて頂いた記憶があります。何と35年ぶりの再会でありました。ご当人が名乗ってくださいましたので、当時の事が鮮明に再現いたしました。また、数年前に寺で行いましたザハール・ブロン氏のバイオリン・コンサートの事もご存知でした。ご家族がバイオリニストとの事で納得しました。

実の処、こんな楽しい再会ばかりではありません。
今年の5月頃かと記憶しますが、ある出版社から電話をいただき、今年の”キャンドル・ナイト” は行いますかと言う問い合わせを頂きました。本年は都合で行わない旨ご返事いたしました。
8月のある日の午後、見知らぬご夫妻の訪問を受け、お会いしましたところ、実は数年前に寺で行いました”キャンドル・ナイト”にお越し下さり、本堂でピアノを弾いて下さった方のご両親と判明致しました。
生前、アジア諸国の仏像を訪ね歩くのを楽しんでおられた事、また、ここの本堂でピアノを弾いて大変に楽しい時間を過ごせた事などをご家族にお話になっておられたとのことでした。
そこで、残されたご両親は、娘の足跡を訪ねてお越しになった訳で、お二人にとっては悲しい巡礼で、娘さんが弾いてくださったピアノのあった場所にご案内し、窓から見える景色を涙を堪えながらご覧になっておられたのが、大変印象的でした。