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『住職の一言』

先日、東京から国府津で魚を食した後に諸仏をお参りしたいというご連絡を頂き、お越しいただきました。このようなお参りは、珍しい事ではありませんが今回はサプライズ、邂逅、殆ど有り得ないことでありました。

ご夫人ばかりの5人のグループでしたが、その内のお一方が私のサラリーマン時代に同じ会社に勤務しておられ、職場は違いましたが、顔見知りで食事をさせて頂いた記憶があります。何と35年ぶりの再会でありました。ご当人が名乗ってくださいましたので、当時の事が鮮明に再現いたしました。また、数年前に寺で行いましたザハール・ブロン氏のバイオリン・コンサートの事もご存知でした。ご家族がバイオリニストとの事で納得しました。

実の処、こんな楽しい再会ばかりではありません。
今年の5月頃かと記憶しますが、ある出版社から電話をいただき、今年の”キャンドル・ナイト” は行いますかと言う問い合わせを頂きました。本年は都合で行わない旨ご返事いたしました。
8月のある日の午後、見知らぬご夫妻の訪問を受け、お会いしましたところ、実は数年前に寺で行いました”キャンドル・ナイト”にお越し下さり、本堂でピアノを弾いて下さった方のご両親と判明致しました。
生前、アジア諸国の仏像を訪ね歩くのを楽しんでおられた事、また、ここの本堂でピアノを弾いて大変に楽しい時間を過ごせた事などをご家族にお話になっておられたとのことでした。
そこで、残されたご両親は、娘の足跡を訪ねてお越しになった訳で、お二人にとっては悲しい巡礼で、娘さんが弾いてくださったピアノのあった場所にご案内し、窓から見える景色を涙を堪えながらご覧になっておられたのが、大変印象的でした。

『住職の一言』

ふー、すっかり暖かくなるものと体も準備しておりましたのに、この寒さは本当にこたえます。彼岸明けの今日、境内から見える箱根連山は真っ白です。

魚偏に春で鰆(さわら)です。瀬戸内で獲れた新鮮なのを食べる機会がありましたが、それは、それは、酢の物よし、勿論焼いてよしです。しかし、味から想像しますと小型で、姿もよく、親しみの持てる魚のようですが、実際は、体長約1メートルでマグロを細長くした姿で、体の上部には青緑色の班紋がたくさんあり、獰猛そうな感じがします。

木偏に春で、椿です。ものの本によると、日本人と椿のかかわりは五千年の歴史を持つそうです。花がポトリと落ちるので、茶花以外はあまり好まれておりませんが、中国ではおめでたい花とされています。境内にもいろいろな椿が植わっていますが、ほとんどは竹やぶに自生したのを移植したものです。中には「ぼくはん」、「しろぼくはん」という変り種もあります。

奈良の三名椿のうちの一つである、傳香寺の散椿(武士椿ーモノノフツバキー)という花弁が桜のように一枚一枚と散り、散際のよいといわれる椿をお参りかたがた見てきました。可憐な椿です。他の二つは、東大寺開山堂近くにある良弁椿と白毫寺の七福椿です。
東大寺の修二会は14日に無魔成満されましたが、二月堂に奉安されている、観世音菩薩立像の両側に置かれた花瓶の花も椿です。ただし、これは練行衆が心を込めて手でお造りになった、紙と木の椿です。

ご来山かたがた桜のまえに椿をお楽しみください。

『住職の一言』

お寺の門松は、竹林からの竹筒に松、梅、柳を活けるほかに、境内に咲く花も活けるようにしております。時節柄、蝋梅、、千両、万両、水仙などになります。

今秋、境内のみかん、柿など秋の果物も不作でしたが、花も良くないようで、例年ですと、門松の水仙は蕾ばかりで、良い香りはしませんが、今年は年末までに花が終わってしまうのではと心配しております。万両は不作で、千両はたくさんの実を付けています。また、春の花である椿は既に境内のそこかしこで咲いております。
自然も天候不順で例年通りには行かないようです。いわんや、人間はもっともっと影響を受けています。それかなしか、喪中の葉書が多いように思います。

11月8、9日の両日、収蔵庫建立以来18年目にしてはじめて、収蔵庫の一般公開を実施しましたところ、近隣はもちろんのこと、東京、横浜からもたくさんの方がお参りに来られました。良い企画であったと関係者一同安堵しているところです。来年以降どうするか、早い時期に結論をだそうと思います。

ゴールに向かって、日々悔いのない毎日を送りたいものです。
「一年の計は元旦にあり。」と押します。健康にご留意いただき、良い歳をお迎えください。

『住職の一言』

天候不順のためでしょう、境内の小米桜がまた満開に咲いており、一方で、秋の彼岸に咲き出す、山茶花(さざんか)が例年よりも2週間遅く満開になりました。
雨が多い上に、8月と9月の気温が逆転して夏野菜の茄子、胡瓜の値段が高く、糠漬けには苦労しましたが、ようやく美味しく食べられるようになりました。
今までなかったことですが、今日みんみん蝉が一生懸命に鳴いておりまして、種の保存のためでしょうが、秋風の吹く10月に鳴くなんて、少々哀れを感じました?
雨が多くて良いことも有りました。井戸の水がずっと涸れずに、美味しいお茶を頂けたことです。

今、お茶は楚々とした花をつけており、文字通り茶花には最適です。
天候不順はまだ続くかもしれません、十分お体ご自愛ください。

『住職の一言』

池のおたまじゃくしは、陸に蛇がいるのも知らずに、池から出てきました。
来年何匹かは戻ってきてくれるでしょう。

さて、梅雨明けが間近じかになりましたが、明けたらすぐにすることは、5月末に漬けた梅を、三日三晩干す事です。今年も、ご近所の方と梅焼酎、梅ジャム、甘煮、梅エキスなどなどいろいろトライしてみました。
やはり、夏を迎えるに当たって必要なのは梅干です。
最近は薄塩が好まれるようで、和歌山の梅干しが人気上昇中と聞きますが、お寺の梅干は昔ながらの塩味がしっかりしたものです。
先代住職の、「梅は花で十分楽しませてくれるので、敢えて消毒はせずに梅干を味わおう。」という考えを踏襲していますので、器量は少少良くありませんが、味は立派なものです。
今年気がついたのですが、梅は、3回楽しませてくれます。花と、梅干と、熟して落ちた、甘酸っぱい梅の香りです。これは、産地でないと楽しめない楽しみです。
昨年、初めて始めた鉢の蓮は、今年も既に数個の蕾を持ち、日に日に大きくなっています。ご来山の折にご覧ください。