仏 画
Buddha Picture
絹本著色 両界曼荼羅図
Buddhist World Mandala Map
市指定重要文化財。曼荼羅とは大日如来を中心とする宇宙観を象徴的に図示したもので、「大日経」に基づく胎蔵界、「金剛頂経」に基づく金剛界の両界からなります。空海が唐からわが国に伝え広く流布することになりました。
本図は唐画と伝称され、密教画にしばしば見受けられる描き表装が行われております。
一般に曼荼羅では謹直な筆線と濃厚な彩色による表現がなされるのに対し、ここでは素描風の筆によって淡白に仕上げられ、各尊の表情に素朴な親しみ易さがあります。
これが他に類例を見ない本図の特色であり、また美点となっております。
少々大味な截金(きりかね)文様、かなり目の粗い画相から見て南北朝時代あるいは室町時代の制作と推測される神奈川県内最古級の両界曼荼羅です。独特の個性を発揮した曼荼羅図として大いに注目すべき作例であり、貴重な寺宝の一つとなっております。
絹本著色 真言八祖像
Eight Founders of Shingon Buddhism
県指定重要文化財。密教の正系を伝えた印度・中国・日本の8人の祖像。空海が帰国する際に持ち帰った唐画の真言五祖像に空海(弘法大師)像など3像を追加し、以後わが国に八祖の像が広まりました。
14世紀前半(南北朝時代)の作。彩色の剥離が目立ち、状態は必ずしも良好と言えませんが、神奈川県内に遺存する真言八祖像の八幅完備したセットとして貴重でありすぐれた寺宝です。画像はそのうちの不空三蔵像と空海像です。
紙本著色 西洋童子像
Christian Hidden Painting
市指定重要文化財。キリスト教の日本布教に伴い制作されたこのような洋風画は、徳川幕府の禁教令と弾圧によって多くは失われたため、僅かな遺品を知るのみとなっています。
本画はその数少ない作例の一つであり珍品と言えそうです。
岩絵具で和紙に描かれており、図柄は修道服姿の西洋童子像で足もとには犬が戯れています。この種の作品が当寺に伝承した理由は不明ですが、所持していた者が破却するにしのびず当寺に納め、密かに保管されたものなのでしょうか。
著しい破損の跡がその経歴を物語るかのようです。
当寺で「稚児文殊像」として伝えられてきたものです。
絹本著色 不動明王像
Fudo Myoo
大日如来の使者とされる不動明王の信仰は弘法大師以来盛んで、作例も多く当寺においても木彫像のほか本画像が蔵されております。矜羯羅(こんがら)と制多迦(せいたか)の二童子をしたがえた立像です。
画絹の傷みのやや目立つのが惜しまれますが、筆致は的確で両童子の表情などには見るべきものがあります。
南北朝時代もしくは室町時代にかかる制作と推定されております。
杉戸絵 唐獅子図
Karajishi Painting on Cedar Door
昔、本堂で使われていた引き戸に描かれた杉戸絵「唐獅子図」です。獅子の勇壮さが重厚に表現されており、江戸期、狩野派絵師によるものと伝えられております。
杉戸絵としてはこのほかに、絵具の剥落・退色著しい残結ながら、松鳩図、許由巣父図、牡丹図、楓図、松図など数点が保存されております。
これらは後掲の当山庫裏の 杉戸絵「松桜図」より時代をさかのぼる本格的な杉戸絵であり、江戸期の堂内の重厚な様式を知ることができる貴重な史料といえます。
杉戸絵 唐獅子図
Karajishi Painting on Cedar Door
昔、本堂で使われていた引き戸に描かれた杉戸絵「唐獅子図」です。獅子の勇壮さが重厚に表現されており、江戸期、狩野派絵師によるものと伝えられております。
杉戸絵としてはこのほかに、絵具の剥落・退色著しい残結ながら、松鳩図、許由巣父図、牡丹図、楓図、松図など数点が保存されております。
これらは後掲の当山庫裏の 杉戸絵「松桜図」より時代をさかのぼる本格的な杉戸絵であり、江戸期の堂内の重厚な様式を知ることができる貴重な史料といえます。